中文(中国支部)China

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International Marching Art Institute

USA, JAPAN, CHINA

国際マーチング芸術協会、付属研究所

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インタビュー記事 「北京週報日本語版」 2009年11月18日 から、転載

http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2009-11/18/content_18912180.htm

中国でマーチング教育の普及を目指す横田定雄氏
発信時間: 2009-11-18 | チャイナネット

陳 煒

今年の夏、北京市内の中国農業科学院付属小学校のグラウンドで音楽に合わせて歩いたり、踊ったり、楽器演奏したりする100人以上の生徒の姿が通行人の目を引いた。これは何のスポーツなのか?人々は好奇の視線を向けていく。

日本で30年以上の歴史をもつマーチング活動は、中国で本格的に始まってまだ3年である。さらに言えば、中国の小学校におけるマーチング活動は今夏北京でスタートしたばかりで、北京市民にはほとんど知られていない。日本のマーチング界で30年も活躍し、偶然がきっかけで中国に来てマーチング教育を推進している専門家、日本国際マーチング芸術研究所の横田定雄所長。中国のマーチング事情、中国への思いなどを聞いた。

中国に来たきっかけは何ですか?

今年の上海の春の音楽祭に初めて招かれて中国や他のアジアの国々のマーチングバンドの発表会を視察させていただきました。実は、2年ほど前に私が関係する日本の一般市民の非常に優秀なマーチングバンドが上海の春の音楽祭に招待されていたことを知ってはいたのですが、多忙のためあまり関心を持ってはいませんでした。なぜ上海に行くことになったかというと、これはすべて偶然のことからでした。

日本と中国のマーチングバンドの交流を促進する仕事をされていた元人民解放軍音楽隊の方が日本のマーチング全国大会を視察されていたときに、私の指導する東京消防庁音楽隊の副隊長の方と同席されて、マーチングを通じて友人になられたのです。その方は日本のマーチングバンド協会にも日中交流のお仕事に行かれていました。

その後、横浜でDCJ(ドラムコージャパン)というマーチング専門の音楽隊関係者が日本中から集まってアメリカの先生たちと審査についての研修会を開催されていたときに、その方に初めて紹介されました。私が研究者として通訳をしていて忙しかったのであまりそのときはお話ができませんでしたが、後日、私の会社にある膨大な資料をご覧になって驚かれて、中国のマーチング普及のために是非協力してくださいと依頼されたのがきっかけです。

中国、そして北京の印象は?

実は、英語はできても中国語は分からないので、二の足を踏んでいたのですが、実際に中国、上海に来て驚きました。中国の高度経済成長については知っていましたが、実際に来てみるとその発展は驚きでした。外見では日本人も中国人も余り変わりはないのですが、日本は島国なのでみなが小さな声で話をする人が多いのですが、中国は大陸なのでとても大きい声で話すので驚きました。中国のひとは大陸的という意味ではアメリカ人によく似ているのでしょう。私はマーチングの専門家なので街を歩くひとの姿勢や歩き方に注目しますが、やはり中国のひとは日本人に比較したら全般的に姿勢がよく、歩き方も日本人より良いと思います。日本では若い人でも靴のかかとをつぶして草履のようにしてしまうひとが多いのですが、これも生活スタイルの違いからで、中国のひとはアメリカ人のライフスタイルに近いと思いました。

上海の後に北京を訪問しました。オリンピックの成功で、北京の街は上海以上にきちんと整理された美しい町並みが見られました。悠久の歴史のうえに、高度成長する中国の中心として立派な都市計画が実行されているのを見て感動しました。オリンピック施設はもちろんですが、空港の大きさ、高速道路、高速鉄道などの充実は賞賛に値します。非常に多くの人が往来するのは日本と同じですが、自動車や歩行者が交通規則をもう少し守った方が安心できると思いました。

マーチング活動についてご紹介ください。

マーチングというと、足並みを揃えて楽団が行進することだと考えるのは現代では古い考えです。今はもっと総合的に体育と音楽が融合してひとつの芸術的な作品を作り出すということになっています。体育と言っても、オリンピックのように速度、重量、距離を競うようなものではありません。いかに健康的で、美しく、音楽的に歩いたり、走ったり、踊ったりするかということです。もちろん椅子に座って楽に楽器演奏するわけではないので体力的には少し苦しくなります。でも、いま、アメリカ、日本、ヨーロッパ、そしてアジアでも若い人たちを中心にとても人気があって、急速に広がっています。

実は、わたしは、マーチングショーの発祥の地であるアメリカで30年ほど前に初めて本場のマーチングショーを見て驚きました。フットボールのスタジアムで100人以上の学生がきれいな姿勢で音楽に合わせて動きながら楽器演奏し、それに合わせて旗や手具を使って音楽表現をするものです。感動した私はそれ以来マーチングの研究を始め、日本でそうした活動の普及のためにアメリカの会社と提携して会社を起こし、また国際マーチング芸術研究所を作り、多数のアメリカの先生を日本に招き、日本でアメリカに負けないようなマーチングを作ろうと一生懸命、啓蒙活動をしました。

マーチング芸術教育にはどのような意義があるのでしょうか?

現在の中国はハードウェアの分野では高度経済成長をしています。でも、人間社会の文化というのはそれだけではありません。ソフトウェアに該当するのは、音楽や舞踊芸術など非常に人間的な分野です。舞台の芝居、映画などもそうです。実は、このマーチング芸術も管楽器や打楽器を使って、汗を流しながら音楽性豊かな集団演技を展開し、心と身体の調和を取りながら大規模な演劇を展開するのです。

大変な共同作業で、多数の人間がひとつの大きな心になっていく作品です。個人的なわがままではできません。一人一人の個性的な能力を磨き、あたかもピラミッドを造るように大きな一人の人間の作品になるのです。そのためには、経験のあるものは経験のないものを導き、仲間を互いに大事にし、尊敬して共同作業を進めるのです。音楽に、テンポ、速度、音程、和音、旋律、リズムなどがあるように、いろいろと守らなければいけないことがたくさんあります。これも社会のルールを守ってハーモニーを作ることにそっくりです。マーチングは体育なのですが、オリンピックとは違います。速度や距離を競うわけではありません。マーチングでは、仲間と同じテンポで歩けること、同じ歩幅で歩けること、同じ動きができること、早く歩いたり、遅く歩いたり仲間と一緒に速度を変えることができること。普通の体育教育とは目的がかなり違います。

実際に、こうしたことを中国で教えてみて、日本、アメリカと比較すると中国は少し違うことがありました。生活習慣や伝統からくる違いでしょう。これらも、これから良いところはさらに伸ばし、不勉強なところは学習していけばいいと思います。私の経験から言えることは、中国の子供たちはとても優秀です。教えたことを吸い取り紙のようにどんどん覚えていきます。これはとてもすばらしいことです。中国の財産、宝です。

今年の夏、北京の小学校でマーチング活動を指導したと聞きましたが、面白いこと、苦労したことは?

実際に北京の小学校や中学校で指導してみて、いくつかの事実を発見しました。それは生徒たちの関係や行動についてです。日本では上級生が新人の下級生に活動の仕方や練習などの仕方を自然に教えるのですが、中国では余りそれを見ないので驚きました。もちろん日本でこれが完全な方法だというわけではありませんが、スポーツや音楽などの文化活動では、生徒同士が助け合い、尊敬し、学習するほうが効果的なのです。先生がすべての生徒を世話するのは当然の仕事ですが、それだけでは生徒同士の信頼、友情、共同して作業する精神というものが余り育たないのです。スポーツでは個人競技で好記録を出すように競いますが、団体競技では協力して仕事をしないとうまくいきません。とくに、音楽や芸術表現をしながら統一美を作るマーチングバンドでは欠かすことのできない精神です。兄弟愛というものもこうした活動で自然に芽生えるのです。

また、マーチングバンドの活動では人間の表現力というものについて教えていきます。活動を通じて苦しいこと、楽しいことなどを経験し、そしてそれを個人的なレベルから集団的なものにまとめていきます。つまり、ひとりひとりの実力を上げていくと、まとまった力になったときに単純に人数分の力ではなく、もっとすごい力が出てくると言うことです。音楽の演奏でも、ひとりひとりが演奏できるだけでは不十分で、合奏したときにどうやったら他の者と調和できるかを教えないと全体の力が発揮できないのと同じです。音楽的にはアンサンブルといいますが、体育的にはチームワークです。これからこうしたことを勉強して欲しいと思います。

中国でマーチング芸術は発展しますか?

単純に行進する、歩く、といっても、どの国でもあまり家庭や学校で幼いときに子供たちに正しい姿勢できれいに歩くということ真剣に教えてはいません。古典バレエなどを勉強しなければ普通はファッションモデルのようにきれいな姿勢では歩けません。要するに先生や親が子供の模範として正しい姿勢や歩き方を指導しなければならないと言うことです。しかし現実にはどこの国でもなかなかそうした家庭や学校は余りありません。

学校の成績も大事ですが、机にかじりついているばかりでは、健全な肉体的、精神的な総合力は身につきません。人間としてあくまでも調和のとれた能力を習得しなくてはいけません。個人的に優れたひとを育てる教育も必要ですが、一方、多くの仲間と協力して、身も心も合わせて大きな活動の中から、人々を感動させる作品を作ることは人間社会の重要な永遠のテーマです。

若い人たちはいろいろな音楽が好きです。勉強ばかりしている子が、実は好きな音楽を聴いているときは自然に身体を動かし、そして仲間と一緒に楽しく騒ぐのが大好きだったりします。これはすごく自然なことです。この青年たちのエネルギーと生命力を音楽と体育で結びつけて文化的に楽しむのがマーチング芸術です。楽しい曲で、明るい色の旗を振って、笑顔で踊り、たくさんの人々に感動してもらえるように、いろいろなことを考え、実行していく。いろいろと悩むこともあるでしょう。またその努力をたくさんのひとの拍手で賞賛してもらう。これは大変に若い人たちには大切なことです。

これは、日本でも、アメリカでも、ヨーロッパでも共通していることです。先日、上海の大会で中国の学生たちのマーチングのショーを見ることができ、中国の青年たちの情熱と英知にとても感動し、そこにすばらしい将来性を見つけました。さらに中国の観衆は日本よりもこうした芸術にとても敏感に喜んでいたのを見て、中国人民がマーチング活動をとても情熱的に評価する人々だと分かったのは一番うれしいことでした。これはとても大事なことです。音楽や芸術は、喜んで見てくれるひとがいないと発展しません。大観衆の声援から青年たちは大きな感動をもらいます。

運動しながら正しく楽器演奏するのは大変だけど、そのぶんとても大きな感動があるのです。実は、健全な青年たちの芸術活動として中国の青年たちはそれに目覚めています。若い学生たちは元気に音楽を演奏し、数多くの仲間たちと楽しく動けるような作品を作りたいのです。これは青年たちの当然の人間としての欲求であり、権利だと思います。だから、世界中で広まりつつあるのです。誰かが命令しているわけではありません。きっと人間の文化的本能です。是非中国の青年たちに大きなチャンスを与えましょう。きっと世界的な模範となる日がやってきます。

「北京週報日本語版」 2009年11月18日

 

Article by Sadao Yokota, "Blast" Japan Concert Program


 

Sadao Yokota

横田定雄

Chief Director, International Marching Art Institue Est.1994 

1994 国際マーチング研究所創立

Marching Pageantry Consultant,Tokyo Fire Department Band & Color Guard 1999-2011

東京消防庁音楽隊、カラーガード隊マーチング講師 1992より2011まで

Honorary Member of Walt Disney World Epcot, Future Corps 1997

ディズニーワールド、エプコット・「フューチャーコー」1997年名誉メンバー任命

General Coordinator "Marching-in-Okayama" since1993

マーチングイン岡山総合コーディネーター1993年より2013年まで

Adjudicator "Marching-in-Okinawa"1989-2009

マーチングイン沖縄審査員1989-2009